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2013年5月

2013年5月26日 (日)

6cm アクロマートレンズの組み直し

プラスチック製スペーサーの評価を行ったついでに、再度60mm, FL700mmのレンズを組み直しました。今回は、枠内でのレンズのガタの修正とレンズ押さえ枠からの圧迫への対処をしてみました。これに使ったのが、写真の「植毛紙」と「ポストイット」です。植毛紙は、幅2mmほどの細い短冊にカットしたものを使いました。

Postit
まず、枠内でのレンズのガタ対策。写真の様に、ポストイットをレンズが入る部分の3カ所に貼付することで、レンズのガタをかなり低減出来ました。丁度、ポストイットの厚さ2枚分(直径に対して)程度の隙間が有った様です。勿論、この黄色のままではなく、マジックで黒く塗っておきました。

Frame
レンズは、凹レンズ、凸レンズとも、反射鏡の洗浄の手順で洗浄し、古いアルミ箔も外し、新しくスペーサー用のアルミ箔を準備。

Spacer
最後に遮光紙の登場です。レンズはプラスチックの押さえ枠をねじ込んで押さえているのですが、この枠の3カ所に、約2mm×3mmに小さく切った遮光紙を貼付しました。写真では分かりにくいかもしれませんが、光っている枠の部分で、黒くなっている場所が遮光紙です。プラスチックの枠だとレンズを直接押してしまうので、遮光紙の厚みでその圧力を和らげています。

Ring
また、写真には撮っていないのですが、押さえ枠がレンズにあたった時、レンズが枠の動きに押されて回ってしまうのを防ぐため、凸レンズと凹レンズを組み合わせてから、その横の1カ所に、プラスチック製の小さい付箋の粘着性のある部分を貼って回転ずれを防いでいます。回転すると、アルミ箔を歪めてしまうんですよ。最終的にはこんな感じでニュートンリングが見えています。無理な圧迫や芯ずれなどが有れば、ある程度は判断出来ます。

Final

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2013年5月25日 (土)

アクロマートレンズのスペーサーに関して

以前報告した、コルキットKT60の改造版に関して、追加の報告です。対物レンズはスコープタウンから別途購入したD60mm, FL700mmに変更してあるのですが、これのスペーサーが厚いプラスチック版で、ゴーストの原因となっている事は述べた通りです。これをアルミ箔分離式にしたところ、ゴーストも激減したのですが、それに伴って、像も改善された様に感じました。そこで、自作のアクロマートの収差計算プログラムで、レンズのスペーサーの厚みの収差への影響を計算してみました。

口径60mm、焦点距離700mmで設計し、凸レンズと凹レンズの間隔を0.4mmと0.04mmの2種類で計算させたので、その結果を示します。0.4mmというのは、プラスチックリング製スペーサーの実測の0.35mmに対応し、0.04mmはアルミ箔の厚みに対応してで`います。まず、0.04mmの収差図。

004mm
横軸は、700mmを0として、そこからの焦点距離の差を、C線(656.27nm)、d線(587.56nm)、e線(546.07nm)、F線(486.13nm)、そしてg線(435.83nm)について計算した結果です。30mmmの横線は、60mmの対物レンズの丁度エッジに相当します。なお、0.04mmというのは、アルミ箔の厚さの代表的な値として用いました。この図は、ほぼ典型的なアクロマートの収差図になっています。g線は大きく焦点距離がずれますね。CとF線、dとe線はほぼ一致です。

さて、これをプラスチックリングでの分離がされて、ゴーストが目立つ場合の数値で計算させてみましょう。スペーザーは、0.4mmとしています。これは実際のプラスチックリングの厚さにほぼ等しい場合です。その結果が、下の図です。

04mm
g線は収差が減少しますが、C線とF線、d線とe線は、大きく前方に傾斜し、球面収差が増大しています。購入したままのKT60や、スコープタウンからのレンズをそのままで観望した時の、月面などの印象が、どうも像がすっきりしなかった事と合致しているように感じます。詳細は、以下のホームページで。

http://homepage3.nifty.com/_norisan/astro/achromat.html

なお、この記事やホームページの内容は、あくまで私の持っているアクロマート対物レンズでの話であり、全てのプラスチックリング製スペーサーの対物レンズで共通という事では有りませんし、所有しているアクロマートレンズの具体的設計データを元にしている訳でもありません。その点はご了承下さい。実際、プラスチックリング製スペーサーを入れた方が像が良い、という報告もあります。

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